障害の理解

問題87

ICF(International Classification of Functioning, Disability and Handicaps:国際生活障害分類)にしたがって次の問題を定義した場合、正しいものを1つ選びなさい。

1.片足を切断しても義足を着けて歩くことができるのは「参加」である。
2.右片麻痺があるが福祉用具を使って食事を作ることができるのは「活動」である。
3.尿失禁が思わぬときに起こるのでゲートボール大会への出場を控えるのは「活動制限」である。
4.調理や掃除等の生活行為ができなくなるのは「参加制約」である。
5.盲導犬利用者が結婚式への出席を断られるのは「活動制限」である。

答え:正解 2

1.× ICFの定義では、義足を着けて歩くことができるのは、「参加」ではなく「活動」に分類されます。
2.○ ICFの定義では、福祉用具を使って食事を作るのは「活動」に分類されます。
3.× ICFの定義では、ゲートボール大会への出場を控えるのは「参加制約」に分類されます。
4.× ICFの定義では、調理や掃除等の生活行為ができなくなるのは、「活動制約」に分類されます。
5.× ICFの定義では、盲導犬利用者が血行式への出席を断られるのは「参加制約」に分類されます。

 

問題88

ノーマライゼーションに関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1.大規模入所施設を増加させた。
2.スウェーデンで初めて提唱された。
3.昭和40年代の日本の障害者施策に強い影響を与えた。
4.「統合教育」という意味である。
5.障害者基本計画を支える理念の一つである。

答え:正解 5

1.× ノーマライゼーションとは、社会的に不利を負う人々が、他の人々と同等の権利を享受できるようにするという考え方です。大規模施設を増加させるのではなく、施設の縮小など、脱施設の考え方が該当する。
2.× 提唱者のバンク・ミケルセンは、スウェーデンではなくデンマークです。
3.× ノーマライゼーションの理念が日本の障害者施策に強い影響を与えたのは、昭和56年の「国際障害者年」と「国連・障害者の十年」からです。
4.× 総合教育とはインテグレーションです。
5.○ ノーマライゼーションは、日本の障害者基本計画を支える理念の一つとなっています。

 

問題89

自宅療養中のEさん(76歳、男性)は、他人への意思伝達は筆談で行っている。また、歩行のときには、右手でT字杖を使用し、左足に短下肢装具を装着している。
Eさんの現在の障害の状況として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1.失語
2.記憶障害
3.片麻痺
4.失調
5.大腿の切断

答え:正解 3

1.× Eさんは筆談を行っていることから、失語の可能性は低いといえます。
2.× Eさんは筆談で意思伝達を行えることから、記憶障害の可能性は低いといえます。
3.○ Eさんは右手でT字杖を使用し、左足に短下肢装具を装着していることから、左側の片麻痺と考えられます。
4.× Eさんは右手でT字杖を使用し、左足に短下肢装具を装着していることから、(運動)失調とは考えられません。
5.× Eさんは左足に短下肢装具を装着していることから、大腿の切断は適切でないといえます。

 

問題90

内部障害に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1.慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease)では、透析療法が必要となる場合がある。
2.慢性腎不全(chronic renal failure)では、在宅酸素療法が必要となる場合がある。
3.大腸がん(chronic renal failure)では、消化管ストーマが必要となる場合がある。
4.ヒト免疫不全ウイルス(HIV)病(human immunodeficiency virus [HIV] disease)では、尿路ストーマが必要となり場合がある。
5.肝硬変(liver cirrhosis)では、埋(植)込式心臓ペースメーカーが必要となる場合がある。

答え:正解 3

1.× 透析療法は、慢性閉塞性肺疾患ではなく、腎機能障害の人に対する治療です。
2.× 在宅酸素療法は、慢性腎不全ではなく、肺や心疾患の人が自宅で酸素呼吸をしながら生活する場合に用いる方法です。
3.○ 大腸がんで大腸を切除するなど、機能を喪失した人は、消化管ストーマを設置します。
4.× ヒト免疫不全ウイルス(エイズ)は、著しい免疫機能の低下をきたす疾患であり、ウイルスが直接の原因となって尿路ストーマが必要となることはありません。
5.× 埋(植)込式心臓ペースメーカーとは、心臓疾患により脈が不安定の場合に、電気的に拍動を制御するための機器であり、肝硬変でペースメーカーが必要となることはありません。

 

 

問題91

失語症(aphasia)に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1.あいさつなどの定型化している言葉には障害されやすい。
2.脳血管障害(cerebrovascular disorder)による構音障害は失語症に含まれる。
3.文や文章よりも単語の理解が困難になる。
4.聴覚障害から生じる音声言語の不正確さは失語症に含まれる。
5.聴覚的理解を補うためには、はっきりした言葉でゆっくりと話しかける。

答え:正解 5

1.× 失語症でも、あいさつなどの定型化している言葉は発しやすく障害されにくい傾向があります。
2.× 構音障害とは、音声器官や聴力の障害により発音がうまくできない状態のことです。構音障害があっても、脳血管障害による場合は、失語症には含まれません。
3.× 失語症では、文章よりも単語の力が理解しやすいです。
4.× 聴覚障害から生じる音声言語の不正確さは、構音障害に分類されて、失語症には含まれません。
5.○ 失語症の人に対しては、短い言葉であれば理解できることが多いため、はっきりした言葉でゆっくりと話しかけるといいです。

 

問題92

総合失調症(Schizophrenia)の回復期の対応として、適切なものを1つ選びなさい。

1.新しい事を数多く体験することで自身を持たせる。
2.発症前の生活リズムにすぐに戻すように支援する。
3.前の体験と現実との葛藤があることを理解して支援する。
4.家族と相談しながら薬を減らすよう勧める。
5.同世代の人と同じように仕事や余暇活動をするという目標を立てる。

答え:正解 3

1.× 総合失調症の回復期には、新しい事を数多く体験するのではなく、新しい事は一つずつ体験して、徐々に広げていくのがいいです。
2.× 総合失調症の回復期には、発症前の生活リズムにすぐに戻すようにするのではなく、本人のリズムに合わせて、徐々に戻すようにするのがいいです。
3.○ 総合失調症の回復期には、援助者は、病の体験と現実との葛藤があることを理解した上で支援しなければなりません。
4.× 総合失調症の回復期であっても、勝手な判断で薬を減らすのではなく、医師の指示に従わなければならないです。
5.× 総合失調症の回復期には、同世代の人と同じように仕事や余暇活動をしようとするのではなく、本人のペースに合わせて行うようにしなければなりません。

 

問題93

高次脳機能障害(higher brain dysfunction)の種類と症状に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

1.遂行機能障害のため、日常生活や仕事の内容を計画して実行できない。
2.半側空間無視のため、歯ブラシの使い方が分からない。
3.社会的行動障害のため、字の読み書きができない。
4.失行のため、同時に二つ以上のことに気配りができない。
5.注意障害のため、突然興奮したり、怒り出す。

答え:正解 1

1.○ 遂行機能障害では、日常生活や仕事の内容を計画して実行することができなくなります。
2.× 半側空間無視とは、左右半分の視覚などの認識ができなくなる症状です。歯ブラシの使い方が分からないのは、失認によるものです。
3.× 社会的行動障害とは、意欲の低下や依存的行動により、対人関係の障害をもたらすなどの症状が現れるものです。字の読み書きができないのは、失語症によるものです。
4.× 失行とは、更衣がうまくできないなど、手、足の運動障害とは関係なく動作がうまくできなくなった状態のことです。同時に二つ以上のことに気配りできないのは、注意障害によるものです。
5.× 注意障害とは、一つのころに注意を集中したり、多くの中から必要なことだけを判断することが困難になる症状です。突然、興奮したり、怒り出すのは、社会的行動障害によるものです。

 

問題94

知的障害に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
1.一度、正常に発達した知的機能が、脳の器質的障害により低下した状態をいう。
2.知的障害の障害及び日常生活の支障によって特徴づけられる。
3.その障害がおおむね10歳までにあらわれたものをいう。
4.重症心身障害とは、重度の知的障害と重度の内部障害が重複した状態をいう。
5.知的障害児・者の施設入所数は在宅者数に比べて多い。

答え:正解 2

1.× 知的障害は、後天的でなく先天的な脳の器質的障害により知的機能が低下した状態のことです。
2.○ 知的障害は、知的機能の障害及び日常生活の支障があることで特徴づけられます。
3.× 知的障害は、先天的な脳の器質的障害により知的能力が低下した状態のことです。成長とともに現れてくるものではありません。
4.× 重症心身障害は、重度の身体障害と、重度の知的障害が重複した状態をいいます。重度の知的障害と重度の内部障害が重複したものではありません。
5.× 知的障害児・者の数は、施設入所者より在宅者の方が多いです。

 

問題95

広汎性発達障害(pervasive developmental disorder)の特性として、正しいものを1つ選びなさい。
1.親の育て方による障害
2.本人の努力不足による障害
3.その症状が通常成人期以降に発現する障害
4.コミュニケーションの障害
5.廃用症候群(disuse syndrome)により障害

答え:正解 4

1、2、5 × 広汎性発達障害は、遺伝などの先天的なものが原因と考えられます。親の育て方、本人の努力不足、廃用症候群によるものではありません。
3.× 広汎性発達障害は、一般的には成人になる以前(幼児期など社会生活を開始する時期)から障害として現れていることが多いです。
4.○ 広汎性発達障害では、コミュニケーションの障害という特徴があります。

 

問題96

知的障害があるFさん(51歳、女性)は、入所施設で生活介護を受けながら生活していた。ADL(Active of Daily Living:日常生活動作)は自立しているが、家事や金銭管理について援助が必要な状況である。家族から経済的支援、精神的支援を得ることはできない。ある日、Fさんから「仕事はできないけど、ここから出て暮らしてみたい」との希望があり、検討することになった。
入所施設のFさんの地域生活を支援するアプローチとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

1.就労移行支援の利用を勧める。
2.行動援護を受けるために、市町村に申請する。
3.一人で外出できるように、入所施設内で手引き歩行の訓練を行う。
4.発達障害者支援センターに連絡を取り、支援を依頼する。
5.地域自立支援協議会に個別支援計画の検討を依頼する。

答え:正解 5

1.× 就労移行支援とは、障害者自立支援法(現・障害者総合支援法)に定められた就労支援事業であり、一般企業への就職を支援するものです。Fさんは「仕事ができない」と言っているので、この支援は不適切といえます。
2.× 行動援護とは、知的障害・身体障害により、重度の行動障害を持つ利用者の支援を行うものですが、FさんはADLは自立していることから、この支援は不適切といえます。
3.× Fさんは、ADLは自立していることから、手引き歩行の訓練は不適切といえます。
4.× 発達障害者支援センターは、発達障害者を対象とした支援・相談機関です。
5.○ 地域自立支援協議会とは、障害のある人とない人が共に暮らすことのできる街づくりを進めるために市町村が設置する支援機関です。

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